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高森明勅
2017.3.1 22:00

天の怒りか、地の声か

森友学園の土地取得の経緯がいかにも怪しい。

その土地の所有権は一旦、関西エアポートに移っていたのに、
錯誤」という訳の分からない理由で国有地に戻って、たちまち森友学園へ。そこから既に普通じゃない。

しかも、土地を購入した側が、法外な値引きの他に補助金とかも
手にしていて、
かえって儲かっているようにしか見えない。

実に奇妙。

常識的には、“誰か”が森友学園に便宜を図った、
としか考えられないだろう。

それも巨大なスケールで。

その「誰か」が問題だ。

官僚が勝手に仕組める規模の話ではあるまい。

単に役人が萎縮したとか、慮ったというレベルでもなかろう。

有力な政治家の関与を疑うのが当然だ。

一体、誰が?

新設予定の小学校の名誉校長だったのは安倍首相の令夫人。

学校名にも安倍晋三の名前を冠する予定だった。

幼稚園では、安倍首相を賛美する教育も行われていた。

そうすると、状況的には安倍首相本人か、
その周辺がまず疑われるのは、
やむを得ない。

このところ連日、国会ではこの問題が取り上げられ、
首相が気色ばむ様子もしばしば見受ける。

総理大臣も国会議員も辞める」とか、
「職を賭けて」とか、
答弁に余裕の無さが滲む。

顔色も余り良くないように見える。

首相は持病を抱えているので、
再発していないか心配する人もいるようだ。

安倍氏がもし根拠の無い疑惑で苦められているのなら、
“真犯人”
は早く名乗り出たらどうか。

名乗り出る者がいない限り、安倍氏への「疑い」は
簡単には晴れそうにないぞ。

高森明勅

昭和32年岡山県生まれ。神道学者、皇室研究者。國學院大學文学部卒。同大学院博士課程単位取得。拓殖大学客員教授、防衛省統合幕僚学校「歴史観・国家観」講座担当、などを歴任。
「皇室典範に関する有識者会議」においてヒアリングに応じる。
現在、日本文化総合研究所代表、神道宗教学会理事、國學院大學講師、靖国神社崇敬奉賛会顧問など。
ミス日本コンテストのファイナリスト達に日本の歴史や文化についてレクチャー。
主な著書。『天皇「生前退位」の真実』(幻冬舎新書)『天皇陛下からわたしたちへのおことば』(双葉社)『謎とき「日本」誕生』(ちくま新書)『はじめて読む「日本の神話」』『天皇と民の大嘗祭』(展転社)など。

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